大型額縁の製作

 右の写真は完成品写真です。大きさは705×1455×27ミリ。縁の幅は50ミリにしました。たまたま長さ1550ミリ、厚さ60ミリのエンジュの柾目板を持っていましたので、これから30ミリ幅で3枚切り出しました。この板の広い方を額縁の正面に使いますので、板目使いとなり大変いい感じになりました。大変大きいのでガラス板では重くなってしまうので3ミリのアクリル板を使い、裏押さえは5.5ミリのベニヤ板を使用しました。

いきなり接着の写真になってしまい、申し訳ないのですが、ここまでの工程は文章で書きます。30×60ミリの板を手押しと自動カンナで27×50ミリに仕上げ、所定の長さにカットし、次にテーブルソーに下の写真のジグを取り付け、45°の留め切りです。実際にカット作業する時はブレード後ろの割刃は外します。額縁幅方向の材料は長いので、テーブルソー右奥にベニア板を置き(下右の写真)、高さを揃えてカットしました。次にアクリル板、筆字作品、裏押さえ板を納める部分の段欠きをしました。テーブルソーで深さ12ミリ、幅11ミリカットしました。アクリル板、作品、裏押さえ板の厚み合計は9ミリ程度なのでトンボを取り付ける部分は3ミリ程度彫り下げる予定です。次はトリマーテーブルで面取り加工です。正面内側はひょうたん、外側はぼうず面。そしてコーナー接着。通常額縁の接着は紐式のコーナークランプを使いますが、この額縁は大きくて使えず、仕方ないので写真のように2コーナーずつクランプで押さえ接着しました。写真の手前2コーナーは接着材を付けてますが、後方の2コーナーは接着材を付けず、仮組して手前の接着部分を後方から押す作用をしています。

かんざし用溝彫り

 普通サイズの額縁の場合、かんざし用溝彫りは下の写真の左1列目、2列目のジグを使用しています。1列目のものはジグを作業台に固定し、額縁のコーナーを5角形の厚板の上に乗せ、小穴カッターで溝を彫ります。5角形の板は蝶ナットを緩めて上下に移動できます。小穴カッターにはラジアルソー(?)が付けてあり、溝の幅を3ミリから12ミリまで調節出来ます。ラジアルソーというのは回転軸に対して刃の角度を変えられます。90°にすれば溝幅はほぼ刃厚になりますが傾けるに従い溝が広くなります。ただしこのカッターは最高の深さが25ミリ程度なので縁の大きい額縁には使えません。2列目のジグはテーブルソーに取り付けて溝彫りします。額縁を斜めに取り付けた角材の上に乗せ刃の上を移動し角に溝を彫ります。刃の幅は2.5ミリ程度なので溝幅により複数回通す必要があります。ダドカッターとか言う刃幅の厚い刃があれば1回で幅広の溝が彫れるのでしょうが私は持っていません。今回の額縁は大型なのでこれらのジグは使えず、写真3列目ののジグを作りました。額縁を作業台に固定し角に丸鋸を走らせることが出来るようにジグを作りました。丸鋸を4回程走らせて7ミリ幅の溝を彫りました。

かんざしの接着

 4か所の溝幅は一定とは限らないので、かんざし4個分の1枚板を自動カンナで厚みを調整する時、最も厚いコーナーから決めていきます。一番厚いかんざしを切り取ったら残り3枚分の板を少し削り2番目に厚いかんざしを切り取り、3番目、4番目という風に決めていきます。かんざし、溝の両方に接着材を付け、クランプで押さえます。木工ボンドの場合はクランプを翌日外します。

かんざしはみ出し部分を削る。

 かんざしのはみ出し部分にカンナをかけます。カンナを動かす方向は角から反対側のコーナーに向かう方向になります。額縁の木目が逆目になる場合は難しいですね。かんざしだけ削り、額縁は削らないようにしたいですが。

 裏板を固定するためにトンボという金具を付けます。深さ12ミリに切り欠きをしたので、トンボを付ける部分をトリマーで約3ミリ彫り下げました。この後サンディングし、水拭き、ニス塗り。翌日、400番水ペーパーをかけ、2回目ニス塗り。これをもう1回やって完成です。

戸棚作成